嚥下内視鏡検査とは
2023年09月8日
食べ物や飲み物を飲み込んで食道に送り込む一連の動作を、「嚥下(えんげ)」といいます。この動作がうまくできない状態を嚥下障害といいますが、それを調べる検査が「嚥下内視鏡検査」です。
・嚥下内視鏡検査の目的
実際に食べ物や飲み物を飲み込む動作をみながら検査を行うことで、咽頭(のど)を飲食物が通過していく様子を記録し、正しく嚥下されているかを確認します。気管への流入(誤嚥)や咽頭での食べ物や飲み物の残留がないかなども含めて評価し、食事をする際の姿勢や食事の形態、嚥下訓練の方針などを検討していく検査です。
・嚥下内視鏡検査の方法
鼻の穴から内視鏡を入れ、咽頭の様子を観察します。痛みが強い場合は表面麻酔薬を使用することもありますが、咽頭の感覚が低下するとその後の検査に影響が及ぶため、極力麻酔の量は少なくします。内視鏡を入れた状態で、とろみのある水、とろみのない水、ゼリー、実際の食事の一部などを飲み込んでいただき、その様子を観察します。水などはビデオに映りやすいように食紅などで着色することもあります。検査にかかる時間は20~30分程度です。
・嚥下内視鏡検査のメリット
造影剤の使用や透視室での検査が不要で、訪問診療の場などで歯科医師がご自宅や施設でこの検査を行うことができます。検査後は、結果をもとに食べる機能や飲み込む機能の訓練を検討し、食事の形態などについてもアドバイスをいたします。
・嚥下内視鏡検査の注意点
検査では少量ではありますが、実際に食べ物や飲み物を飲み込んでいただきます。それに伴い誤嚥のおそれはありますが、検査中は歯科医師がすぐに吸引などで対応できるように準備をして検査を行います。また、ごく稀に咽頭の出血やけいれんが起こることもあります。
食べ物や飲み物を正しく飲み込めているかということは、患者様の栄養状態を評価する上でもとても大切です。嚥下内視鏡検査にご興味のある方は、お気軽にご相談ください。