歯周病と全身疾患の関係
2023年11月17日
歯周病は一見するとお口の中だけの疾患のように思いますが、実は全身疾患にも密接に関わっているのです。
近年、多くの研究から、歯周病が全身の健康に関わっていることが分かってきています。慢性的な歯周病は、歯周病菌やその菌が産生する毒素、炎症反応性物質などが、歯ぐきの毛細血管を通して、全身のあらゆる組織に送られ、それぞれの組織で悪影響を及ぼしています。
・歯周病と全身疾患の関係

歯周病の原因菌は、血管を通って、動脈硬化や心臓病を引き起こすことがわかっています。動脈硬化によって血管が詰まることで、脳梗塞やバージャー病という手足がしびれる疾患のリスクが高まることに。
また、歯周病と糖尿病は相互関係にあります。歯周病の原因菌によってできた炎症物質がインスリンの働きを妨げ、血糖値が上昇するのです。逆に、糖尿病であることが歯周病の症状を悪化させるとも言われています。歯周病の治療を行うことで、糖尿病の症状がよくなることもわかっているので、双方の治療を並行して行っていくことが大切です。

お口や全身の健康維持のために、歯周病予防に取り組みましょう。歯周病予防の基本は、自分で毎日行う(歯磨き等)セルフケアと、歯科医院で行うプロフェッショナルケア(専門的な口腔ケア)です。お口の健康を維持するためには、セルフケアとプロフェッショナルケアの両方を上手に取り入れましょう。
歯茎の腫れはあるけど痛みはないような状態を歯肉炎と言います。歯肉炎は、歯周病の初期段階です。放っておくと症状は進行していきますが、定期健診を受けることで、自分では気付きにくい初期段階でもケアして進行を食い止めることができます。
今回は、歯周病と全身疾患の関係性について紹介しました。当院では、歯周病治療において患者さん1人1人に対してオーダーメイドプログラムを構築しています。少しでも気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。
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鼻呼吸について
2023年11月13日
人間はもともと鼻で呼吸をするようにできています。しかし、気付くと口がポカンと開いていて、口呼吸になってしまっている人も多くいます。
・鼻呼吸の大切さ

鼻はもともと呼吸をするための器官なので、外からの異物を絡め取る防御機能が備わっています。また、冷たく乾燥した空気を温めて加湿するので、肺に負担が少なくスムーズに循環していきます。
一方、口はもともと食べるための器官なので、呼吸をするのにはあまり適していません。鼻のような防御機能を備えていないので、直接異物や乾燥した空気が喉に届きます。口呼吸を続けていると風邪をひきやすくなったり、呼吸器系の疾患をはじめとしたさまざまな疾患を引き起こすリスクが高まるのです。
・口呼吸が歯やその周辺に与える影響
口呼吸は、歯やその周辺にも悪影響を及ぼします。
- 虫歯や歯周病のリスクが高まる
- 口臭の原因になる
- 歯の着色が気になる
- 歯並びが悪くなる
- 顔がたるむ
口呼吸になると口の中が乾燥した状態になります。
そのため、虫歯や歯周病の原因菌が繁殖しやすい環境になってしまい、お口の中を洗浄する力を持つ唾液の量も少なくなってしまいます。唾液が少なくなると、食べかすを洗い流せず汚れが停滞してしまい、口臭や歯の着色にもつながります。
また、口呼吸だと、舌の位置が本来あるべき場所と変わってしまい、それによって歯並びが悪くなってしまうリスクがあるのです。成長期のお子さんの場合、顔の骨格の形成に影響がでることも。顔や唇の筋力が弱いので、顔のたるみや表情の乏しさなどもみられます。
・鼻呼吸の癖をつける方法
鼻呼吸の癖をつけるためにできることを意識して行ってみましょう。

- 日中意識して鼻呼吸をする
- 寝るときに口にテープを貼る
- 口周りの筋肉を鍛える
- 歯科矯正をする
- 耳鼻咽喉科を受診する
鼻呼吸ができない原因は、顔やあご周りの骨格や鼻の形状によるものや、鼻に疾患がある、歯列が乱れているなど、理由はさまざまです。
まずはご自身でできることを試してみて、必要であれば医療機関の受診も検討しましょう。
虫歯や歯周病にも関わりのある、鼻呼吸について紹介しました。お口や体の健康を守るためにも、ぜひ意識して鼻呼吸をするように心がけてみてください。
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