【ご報告】大学院を修了しました!
2025年04月15日
こんにちは。
清水歯科医院の清水学です。
少し個人的なご報告になりますが、このたび東京歯科大学大学院 微生物学講座の歯学博士課程を修了いたしました。
社会人大学院生として通いながら、研究と診療を両立する日々を送ってきました。まだ学位論文の投稿は終わっていませんが、今年の9月までには完了する予定です。
私が大学院に進学しようと思った理由は、「目の前の患者さんを診る臨床だけでなく、研究を通じてもっと多くの人に貢献できるのでは」という想いからでした。
ですが、実際に進学してみると、週1日だけ通う社会人大学院生の立場で研究の第一線に立つのは、正直なかなか大変でした。最初の1年間取り組んでいた遺伝子の実験では、うまくいかないことが続き、結局対象の遺伝子を変更することに…。地道で試行錯誤の連続でしたが、今ではその経験が自分の財産になったと感じています。
研究のテーマは、歯周病の原因菌である「トレポネーマ・デンティコラ」という細菌についてです。
この細菌は、普通は酸素がある環境では生きられないのですが、ある遺伝子を失わせることで、なんと酸素のある場所でも増殖できるようになったのです。そのメカニズムには「鉄」が関わっている可能性があるという、ちょっと不思議で興味深い発見でした。
研究を通して感じたのは、「論文の背景を知ることが、日々の診療にも深みを与えてくれる」ということです。普段、私たちが読んでいる論文が、どんな実験に基づいて書かれているのかを理解することで、患者さんにももっと正確で信頼できる情報をお伝えできるようになる。そう感じています。
大学院で出会った研究者の先生方はとても勤勉で、常に「なぜ?」「どうして?」を突き詰めて考えている姿に刺激を受けました。物事を理論的に捉え、根拠を持って行動する姿勢は、私にとって大きな学びになりました。
これからも私は、一般歯科医として、幅広い治療に対応しながら、患者さんに信頼される歯科医師であり続けたいと思っています。そして、研究で得た知見や視点も活かしながら、安心して治療を受けていただけるよう、日々努力を重ねてまいります。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。